ヒアルロン酸は、皮膚のシワを軽減すると言われ、美容液やサプリメント等でよく使用されています。
天然のヒアルロン酸は主にニワトリのトサカ部分から抽出され、食品の中では他に魚の目玉や豚の足、さめの軟骨、フカヒレ、海草のヌルヌルの部分など、普段余り食べる事のない所にあり、一般の食事からでは摂取し難いでしょう。
人工のヒアルロン酸は乳酸菌等を利用したバイオ製法によって作り出されます。
ヒアルロン酸は、保水性が非常に高い為、、化粧水や美容液などの保湿作用として配合されることが多く、また、糖類の一種で飲みやすい事から、サプリメントとして健康食品に利用されています。また、ヒアルロン酸を皮下注射すると、半年前後の長い間、吸収されずに、そこに留まって保水作用が働きシワを伸ばす作用がある為、シワ取り治療として美容外科や皮膚科等で注射治療されている所もあります。
ヒアルロン酸は体の細胞と結合して、細胞に水分や栄養を与え、皮膚や関節等に作用しています。
従って、肌の表面から内部の全体特に表皮、関節液、眼球、心臓、大脳、腎臓など、水分が多く必要とされる部分に沢山含まれています。
人の体は60%近くが水分です。
水分が体の細胞の隅々まで酸素や栄養の補給をし、不要物の排出の橋渡しをしたり、汗をかいて体温の調節をする等の作用をしていますので、ヒアルロン酸は大切な役目をしています。
ヒアルロン酸が欠乏すると、肌の水分が無くなるので、張りが無くなり、乾燥肌や肌荒れしやすくなります。
関節では、屈伸など骨に圧力が掛かる動きをすると痛みを生じ、いわゆる50肩の原因ともいわれています。
目についても、乾燥して疲れやすく、視力低下に繋がります。このように、ヒアルロン酸は健康上大切な作用をしているといえます。
しかし、加齢と共に作られる数は減少し、かつ日常の食事では余り補給されない為、年齢と共に減少し、肌のシワや乾燥肌、疲れやすさ、50肩などの関節痛など生じやすくなります。
また、血液や血管についても保水作用が少なくなる為、加齢と共に動脈硬化しやすくなるといわれます。
年齢的に20歳を過ぎると低下し始め、50歳頃には急激に減少するといわれ、40歳を過ぎると赤ちゃんの半分以下になります。
ヒアルロン酸は体の細胞の水分を保持する、いわゆる保水作用をし、特に皮膚では表皮の部分に多く含んでいますので、40歳頃から、肌のみずみずしさ潤い、シワ、目じり、シミ等が気になり出し、目の疲れや関節痛等も起こり易くなってきます。
ヒアルロン酸の1日の摂取量の目安は20〜40代で250〜400mg、40代より以降は400mg以上とされていますが、加齢と共に体自身から作られる量が少なくなり、一般の食事からは補給し難い事から、サプリメントや美容液で補給しようとする人が増えてきています。
ヒアルロン酸は、分子大きいほど体内に残りやすく、消えにくいので、粒子が大きい「バーレーン」は頬やこめかみ、鼻や唇に、比較的粒子が小さい「レスチレン」はアゴや目じりののシワ取りの治療などに使用されます。
ヒアルロン酸は水に溶け易く、高い保湿力を持ち、肌になじみやすく、角質層の水分量を高める為、しっとり感を与える作用をします。最近では低分子化が進みバイオ技術によって大量に生産出来る様になり、吸収されやすくした低分子ヒアルロン酸が化粧品等で使用される様になり大変人気になっています。
化粧品では一般にヒアルロン酸ナトリウムとして配合され、洗顔化粧水、クリーム、パックなどに使用され、長い時間お肌のみずみずしさや、潤いを保持する作用をしています。
多量に水分を補給しても、組織そのものに潤いを持たせる作用は少ないので、お肌が気になる女性にとって、ヒアルロン酸は大きな味方であると言えるのではないでしょうか。
血管も、歳と共に水分を失い硬くなり、動脈硬化等になり易くなっていきますが、ヒアルロン酸の保水作用で動脈硬化の予防や改善をする働きがあるといわれます。
また、ヒアルロン酸の保水作用で血液のドロドロや貧血を改善したり、保水によって細胞の修復作用をさせたり、老化の予防、アトピーなどの湿疹の改善、冷え性、女性では生理痛、更に糖尿病の予防など、水分を必要とするあらゆる組織に良い作用をするとされ、サプリメント等として多用されています。
その他、肌に保湿作用を保たせる入浴剤や、口や眼の洗顔液などにも使用されています。
このように、人の体は多くの水分で形成されている訳ですから、ヒアルロン酸の顕著な保水作用は様々な部分で大切な役目をしていると言えるでしょう。
