緑黄色野菜は、カボチャ、ニンジンなど、β-カロテン(ベータカロチン)を豊富に含む野菜で、厚生労働省の基準では「原則として新鮮な野菜100g中にベータカロチンを600μg以上含有するもの」とされ、更に厚生労働省では、野菜を1日当たり300g摂取することを勧め、そのうち100gを「緑黄色野菜」から摂ることが大切であるとしています。
また、ベータカロチンの含有量が600μg以下であっても、多く食べられているトマトやピーマン等は緑黄色野菜に含められています。
緑黄色野菜の代表的なものとして、にんじん、サツマイモ、かぼちゃ、にら、ほうれん草、ピーマン、パセリ、しゅんぎく、こまつな、ブロッコリー、さやえんどう、さやいんげん、しその葉、アスパラガス、トマトなどがあります。
ベータカロチンの量が600μg以下の、なす、きゅうり、オクラ、レタス等は「淡色野菜」として区別されています。カロチンの含有量で区別しているもので、見た目の色ではありません。
カロチン(またはカロテン)にはα、βなどの4種類ありますが、野菜に含まれるカロチンのほとんどがベータカロチンで、体内に入るとビタミンAに変わります、他に比べて約2倍のビタミンAとしての効力をもっています。
ビタミンAを多く必要とするのは目です、水晶体や角膜、網膜に必須のビタミンです、ビタミンAが不足すると、薄暗い場所で物や色を識別する力がなくなり、進行すると夜になると目が見えなくなる夜盲症という状態になります。
また、鼻やのど、消化器官、呼吸器官などの粘膜を丈夫にするため感染症に強くなり、皮膚や髪の潤いを保つ役割もします。不足すれば逆で、風邪などもひき易くなり、肌がかさついたり、異常に乾燥したり、脱毛しやすくなり、爪がもろくなったりもします。
カロチンは小腸、肝臓、腎臓などで分解されて3分の1程度がビタミン
Aに変わります。
酸素は呼吸によって1日に数百グラム以上を摂取しますが、そのうちの数パーセントは体内で活性酸素となります。その強い酸化力は、生命活動の推進に役立っていますが、神経細胞や心筋細胞の老化を促進したり、粘膜細胞をがん化したりします。
それに対し、ベータカロテン、ビタミンEおよびCの3種類のビタミンは、体内のいろいろな場所で随時盾となって働き、害を未然に防止します。
カロチンには酸化を抑制する力があり、身体の中で細胞のガン化や悪玉コレステロールの酸化など、さまざまな悪さをする活性酸素の作用を抑える機能があり、ガンや動脈硬化、心臓病の予防、皮膚などの老化の抑制にもつながるとされています。
また、統計的にもガンになっている人は、普通の人に比べて、ベータカロチンの量が少ないという結果が出ており、日常食で緑黄色野菜を十分に摂取する事で、ベータカロテンの作用によって発がんを抑制できるとされています。
カロチンの一種に、リコペンがあります、体内でビタミンAになれないカロチンで、抗酸化力はカロテン中最も大きく、ガンの予防効果も最も高いとされ、最近注目され始めたました、そのリコペンはトマトに最も多く含まれます。
成人のビタミン A の1日当り必要量は、概ね2000IUです。またビタミンAに変換されるカロテンの量で見ると、ピーマン1個には300IU含、にら1束(100g)に1600IU、トマト小1個には220IU含まれています。(IUは国際単位。主に脂溶性であるビタミンAに使われ、量ではなく、生体に対する効力の量で表します。一般に2.5μg=100IU)
